中学生や高校生にも起きる腰椎椎間板ヘルニア: 症状、予防、治療法について
2023年07月28日
こんにちは。今日は一般的に「大人の病気」と思われている「腰椎椎間板ヘルニア」について、特に「中学生」や「高校生」の視点から取り組むための情報をお話ししたいと思います。
腰椎椎間板ヘルニアは、成人や高齢者が主に悩む問題と広く認識されています。しかし、実際はそうではなくスポーツを頑張る中学生や高校生でも腰椎椎間板ヘルニアで悩んでいる方は多くいるのが現状で、当院もよく相談を受ける症例の1つでもあります。なので実際には、「スポーツ活動」を頻繁に行う中学生や高校生もヘルニアのリスクを持つ可能性があることをまずは知って頂けると幸いです。
ヘルニアと言えば痛みが伴うイメージがありますが、全てのヘルニアが痛みを伴うわけではありません。実際には、「ヘルニアの症状」は椎間板の状態に大きく左右され、個々の状態に大きく依存します。中には痛みを感じずに日常生活を送る人もいれば、強い痛みやしびれに苦しむ人もいます。
ではそんな「腰椎椎間板ヘルニアの回復時間」はどれくらいかかるのでしょうか?これは研究上でも大きくばらつきがあり個人差があります。ある研究によれば、スポーツ選手が元の競技に戻るまでの平均的な時間は約4.7ヶ月だとされていますが、幅が1カ月~1年と広く、個々の状況やヘルニアの重さにより、全く復帰時期を定めにくいのが現状であるという事になります。
学生だと大会が近かったりチームのメンバー登録がギリギリで痛くてもやらざるを得ないときもあるかもしれませんが、まずはヘルニアの状況を把握することと、「ヘルニアと運動」について理解することが必要です。痛みを感じながらも運動を続けると、症状が悪化し、力が入らない、痺れるなど強い症状が出る可能性があります。「ヘルニアの治療」の初期段階では、痛みを軽減することを目指すことを個人的には最優先します。悪化すると生涯にわたって痺れが残ったり痛みに苦労する可能性もあるからです。そして治療もただ安静にするのではなく出来る範囲の運動量から取り組む事を当院では実施しています。
まずは身体の硬さを改善したり、姿勢や動きを良くすることで椎間板に係る負担を減らすことを目的に取り組みます。
「ヘルニアの運動療法」として特におすすめなのが「ハムストリングのストレッチ」です。ハムストリングとは、太ももの裏側に位置する筋肉のことを指し、この部位が硬くなると腰への負担が増え、ヘルニアのリスクが高まる可能性があります。ストレッチ方法についてはこれを読んで頂いているあなたの症状を把握してから適切な方法を処方することが大切になりますので専門のトレーナーや物理療法士に相談することをおすすめします。
では「ヘルニアの予防策」としては何が有効なのでしょうか。答えは「適切な生活習慣」の維持と「身体活動」の正しい理解です。ここで特に強調したいのが、「座る姿勢」です。特に長時間の座り方や腰が丸くなる姿勢は避け、骨盤を起こして座ることが大切です。
あまりに座る姿勢が痛ければクッションをしいたり、学生でしたら先生に話をして授業中も痛くなったら立ち上がるなど痛みが出る姿勢を回避することも早く治すためにはおすすめです。
いかがでしたでしょうか?ヘルニアと言われるととても悪い腰痛といったイメージがあると思いますがこじらせなければ回復も見込めますし、悪化させると厄介ないたみになりやすいのも腰椎椎間板ヘルニアです。
「中学生、高校生の腰椎椎間板ヘルニア」で安静のみでなかなか思うように回復しないという方はお気軽にご相談ください。