肩痛について 腱板断裂編

2024年06月4日

多くの方が日常的に感じる肩の痛み。

肩痛について 肩こり編・五十肩編・腱板断裂編に分けてお話ししていきます。

前回は肩こり、五十肩について書きました。こちらもご覧ください。

肩痛について 肩こり編

肩痛について 五十肩編

今回は肩痛シリーズの最後である腱板断裂に注目していきます

今どんな状態で、どの段階にあるのか、どのタイミングで病院に行ったらいいのか分からないというのが現状だと思います。

まずは、腱板断裂のセルフチェックを見ていきましょう。

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腱板断裂のセルフチェック

  • 年齢層: 60歳以上
  • 腕の動作時の痛み: 腕を動かすと痛い
  • 夜間痛: あり
  • 特定動作時の痛み: ドアノブを回すなど腕をひねる動作で痛みが出やすい
  • 頭部の動作と痛みの関係: 頭を動かしても肩の痛みは感じない
  • 押圧痛: 手のひらで押し合うと痛みが出る

セルフチェック表で複数当てはまる場合や症状が続く場合は、先ずは専門医に相談することをお勧めします。

腱板断裂(腱板損傷)とは

腱板は、肩の関節を安定させる重要な役割を担っている部分で、肩の中で特に重要な4つのインナーマッスルが集まって形成されています。これらの筋肉は、それぞれの腱が集合して幅広い帯のような構造を形成し、肩甲骨と上腕骨をつなぐ役割を果たしています。

腱板断裂とは、この腱板が肩の骨から剥がれるようにして断裂する状態を指します。

肩の動きを支える重要な構造である腱板が損傷すると、肩の痛みや機能の低下が起こります。

肩のインナーマッスルをローテーターカフ(回旋筋腱板)といいます。

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腱板断裂の症状

腱板断裂の主な症状には以下のものがあります:

  • 肩の痛み:特に腕を上げる動作時や夜間に悪化することが多いです。
  • 動きの制限:肩の動きが制限され、日常生活の動作にも影響が出ます。
  • 力の低下:肩の力が落ち、物を持ち上げることが困難になる場合があります。

ドアノブを回すなど腕をひねる動作や下の物を取る時、腕を遠くに伸ばした際に痛みがでることが多いです。

腱板断裂の原因

腱板断裂には以下のような原因があります:

  • 加齢による摩耗:歳を取るにつれて、腱板は徐々に摩耗し、微小な断裂が積み重なっていきます。
  • 急性の負傷:スポーツの怪我や交通事故など、突然の大きな力が肩に加わった時に発生します。
  • 反復動作による過負荷:特定の動作を繰り返し行うことで腱板にストレスが集中し、最終的に断裂に至ることがあります。

腱板断裂の経過

腱板断裂の経過は個人差がありますが、一般的なパターンを以下に説明します:

初期段階

  • 発症: 腱板断裂は、急性の負傷によるものや、長期にわたる摩耗とストレスによって徐々に発展する場合があります。
  • 症状: 初期段階では、肩に痛みを感じ、特に腕を上げる動作が困難になります。痛みは夜間に悪化することが多いです。

中期段階

  • 慢性化: 時間が経過すると、痛みは持続的または間欠的になることがあります。この段階では、痛みが一時的におさまることがあっても、腱板の損傷自体は治っていない状態が続きます。
  • 運動制限: 腱板が断裂しているため、肩の動きが制限され、日常生活での動作に支障を来すことがあります。

長期段階

  • 進行: 断裂が重度になると、腕を上げることがほぼ不可能になる場合があります。
  • 筋肉の萎縮: 使用頻度が減ることにより、関連する筋肉が萎縮し始めることがあります。

治療と回復

  • 保存的治療: 軽度から中度の断裂では、物理療法、痛みを管理する薬物治療、活動の制限が推奨されます。
  • 手術的治療: 重度の断裂や保存的治療による改善が見られない場合、腱板の修復手術が行われることがあります。
  • リハビリテーション: 手術後または治療の一環として、リハビリテーションが非常に重要です。これには、適切な運動療法が含まれ、肩の機能を徐々に回復させていきます。

腱板断裂は、腱板に穴が開いてしまう状態で、自然に治ることはほとんどありません。そのため、穴が広がらないよう日常生活での注意と適切な治療が必要です。

適切なセルフケアを実践することで、手術を回避する可能性があります。次に、その具体的な方法をご紹介します。

腱板断裂のセルフエクササイズ

  1. 準備
    • イスに座り、腱板断裂がある方の手でうちわを持ちます。
    • うちわを持つ手を使って、痛みの少ない方向へゆっくりとあおぎます。
  2. うちわの動かし方
    • 脇を閉じて肘を軸にして腕を動かし、痛みを感じない範囲で反対側に風を送ります。
    • 腕は身体の前に少し出して肘を固定し、無理のない範囲で動かします。
  3. 実行時間
    • 最初は30秒間ゆっくりとあおぎ、痛みがなければ徐々に1分間まで延長します。

セルフエクササイズを実施するタイミングは全身の血流が良くなっているお風呂上りがおすすめです。

あと、痛みが出ない範囲で行うことが大切です。

 

まず肩痛を感じたら専門医に相談しましょう。
セルフケアを数日間行っても変化がないという方
どうしても腕を動かすのがつらいという方は
当院にご相談ください。

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