転倒で多いケガ③ ~腰の骨折~
2024年04月4日
転倒による骨折の第3弾は腰の骨折です。
転倒や尻もちなどにより、主に背骨(脊椎)の骨が何らかの原因で強い圧力を受け、押しつぶされるようにして壊れる状態を指します。
腰椎圧迫骨折と言います。
当院にも年に数名、腰の捻挫(ぎっくり腰)の症状と思い来院されます。
この骨折は、特に高齢者(若干女性)に多く見られますが、若い人でも事故などで同様の怪我をすることがあります。
理由
なぜ高齢者に多いかというと、年齢と共に骨がもろくなりやすい(骨粗鬆症など)ため、小さな衝撃や転倒だけで骨折しやすくなります。
若い人の場合、スポーツや交通事故など、より大きな力が加わった時に起こりがちです。
起こる場所
転倒によって最も影響を受けやすいのは腰のあたり、つまり腰椎と呼ばれる背骨の部分です。腰は体を支える中心部であるため、落ち着いたときに大きな圧力がかかりやすいのです。
症状
- 痛み(特に腰部)
- 動くと痛みが増す
- 姿勢を変えることが困難
- 骨を押さえたり、コツコツと痛みがある場所の骨を叩くと痛い
検査
腰椎圧迫骨折を調べるためには、問診と触診、特別な検査を行います。
これらの検査は、病院での機械で腰の骨がどのように壊れているか、またどれだけ深刻な状態なのかを見るために重要です。ここでは、一般的に行われる検査を簡単に紹介します。
1. X線検査(レントゲン)
- 何をするのか: 腰の部分の写真を撮って、骨が壊れているかどうかをチェックします。
- どうして重要なのか: 骨折があるかどうかすぐにわかりますが、とても小さな骨折は見逃されることがあります。
2. MRI(磁気共鳴画像法)
- 何をするのか: 腰周辺の詳細な画像を作って、骨だけでなく、周りの組織や神経の状態も見ます。
- どうして重要なのか: X線では見つからなかった骨折や、骨折の影響を受けた周囲の組織も詳しく調べることができます。
3. CTスキャン(コンピュータ断層撮影)
- 何をするのか: X線を使って腰の骨の断層画像を撮り、骨折の状態を詳しく調べます。
- どうして重要なのか: 骨の損傷の具体的な場所や程度をはっきりと確認でき、治療法を決める際に役立ちます。
4. 骨密度検査
- 何をするのか: 骨がどれだけ強いか、また骨粗鬆症のリスクがあるかを調べます。
- どうして重要なのか: 腰椎圧迫骨折は骨粗鬆症が原因で起こることが多いので、この検査で将来的な骨折のリスクを減らす助けになります。
対策と予防
- 骨を丈夫に保つ: 適度な運動とバランスの取れた食事で、骨を強く保ちましょう。
- 安全な環境作り: 家の中で滑りにくい床材を選ぶ、敷物をしっかり固定するなどして転倒リスクを減らします。
- 適切な履物を選ぶ: 外出時や家の中でも、滑りにくい靴を選びましょう。
- 定期的な健康チェック: 視力のチェックや健康診断で、転倒につながるリスクを早期に発見しましょう。
徐々に日常の活動に戻りますが、この時期には正しい姿勢を保つことや、腰に負担をかけないような方法で物を持ち上げる技術を学ぶことが大切です。
骨を強く保つために、バランスの取れた食事や適度な運動、十分なカルシウムとビタミンDの摂取が重要です。また、タバコは骨の健康に悪影響を及ぼすので避けるべきです。
当院では、受傷時の問診を基に発生のメカニズムの仮説を立て必要な項目の整形外科テストを行います。徒手検査以外にもエコーを用いた検査も行い、より正確な場所や原因を見つけ出すことも出来ます。
運動指導や日常生活でのアドバイスも行います。
骨折の疑いがある場合は1秒でも早く正しい固定をするという事が重要です。
処置後は専門医に紹介状を作成しております。
転倒や急なケガでお困りでしたら当院にお問い合わせ下さい。