小学生、中学生の腰痛。腰椎分離症・腰椎疲労骨折の症状・病期・治療法について

2023年09月26日

腰椎分離症

腰椎分離症は腰の背骨に疲労骨折が起こり
治らずに進行して骨がくっつかなくなった状態です。

腰椎分離症(腰の疲労骨折)を発症すると

・安静にする必要があるためスポーツの離脱期間が長くなってしまうこと
・骨がくっつかず分離症になると将来腰痛に悩む可能性が高くなってしまうこと
・同じ骨の左右で発症すると腰椎すべり症と言って将来手術が必要になる可能性があること

このような懸念点があるので
できるだけ骨がくっつくように完治を目指したい疾患ですが
スポーツの長期離脱のため悩みの多い疾患でもあります。

腰椎疲労骨折の発生しやすい年代と比率

腰椎の疲労骨折はほとんどがスポーツをする発育期に見られ
小学生~高校生に起こります。

一部、無症候性(症状がない)の腰椎分離症もあり
大人になって腰痛を発症し整形外科でレントゲンをとると
腰椎分離症がみつかるといったケースもありますが
これは慢性化した腰椎分離症で痛みが出るケースと
出さないケースがあります。

では発育期(18歳以下)の腰痛を訴える方の中で
どのくらいの比率で腰椎の疲労骨折があるのでしょうか?

一部報告によると18歳以下の腰痛で検査をすると
28%が急性の腰椎疲労骨折だったと言われる報告があります。

さらに詳細に見ると
腰痛を訴える小学生にMRIをすると40%、中高生では56%が
腰椎分離症だったと言われる報告もあります。

また性別と痛みのでる動きで絞ると
スポーツをする男子で腰を反らして痛い腰痛患者の73%が
腰椎分離症だったと言われる報告もあります。

つまり小学生から高校生までで腰痛を訴えた場合に
スポーツをしていて腰を反って痛みが出る場合は
腰椎の疲労骨折を疑う必要があることがわかります。

腰椎分離症(疲労骨折)になる原因

腰椎の疲労骨折は主に前症例でスポーツ活動を行う発育期年代に
見られることから、運動によって腰にストレスがかかっていることは
ほぼ間違いないと考えるのが一般的です。

特に腰に負担をかけてしまう動作が、『腰を反る、捻る』運動です。

疲労骨折なので動作を繰り返すことで小さなストレスが蓄積し
金属疲労のように発症しますが、実際にはバットのスイング
のように急激に体を捻った際に一撃で痛みが出たと
訴えるようなケースもあります。

腰椎分離症(疲労骨折)の症状

一般的な症状としては

・腰を反る、捻ると痛い
・腰を丸めると痛くないケースが多い

寝ていたり、座っていたり動いていないと痛みはないですが
運動すると痛みが出る場合がほとんどです。

 

腰椎分離症のステージ

腰椎分離症は状態に応じてステージがあります。

超初期 MRIで骨髄浮腫とよばれる状態がみられるもの

初期 小さな骨折線があるもの

進行期 骨折線が明らかなもの

終末期 骨折線+ズレがみられるもの

 

診断方法

まずは動きや押した痛みを診る検査から始まり
疑わしい場合は、画像検査を行います。

画像検査にはレントゲン、MRI、CTがありますが診察する
施設によってできる検査とできない検査があるので
医師の判断になります。

ここではそれぞれの検査でわかることとわからないことを紹介します。

理学検査)

反った痛み、横に倒した痛みを診ます。
さらに腰の背骨を押した痛みも検査し
全て当てはまれば当院ではMRI画像検査ができる
医療機関へ紹介状を作成しお渡しします。

画像検査)

ここからは病院で行う検査ですが
基礎的な内容をここでは紹介したいと思います。

レントゲン)

レントゲンでわかるのは腰椎疲労骨折の進行期~終末期がわかります。
初期の場合はレントゲンには映らないのでレントゲンで骨に問題がないからと言って
腰椎の疲労骨折がないと否定はできません。

MRI)

MRIは特に初期の病変を発見することに優れています。
弱点としては慢性的な分離症や進行してしまった病変が
分からないことがあります。

CT)

CTは骨折線があるかないかを見つけることができ
病期の診断をする際に撮影されることが多いです。
また骨がくっついたかくっついていないか『治癒』の最終判断も出来ます。

色々な画像検査がありますが
それぞれの画像検査が病期に応じて
良い場合とそうでないときがあることが分かって頂けたと思います。

MRI+CTが最終的な病期のステージの診断に役立つと言われますが
CTは被爆の問題もありますので頻繁に撮影しない方がよいかもしれません。

治療法)

保存的治療(非手術治療)の方法

保存療法では年齢やステージに応じて医師が治療方法を選びます。
代表的な治療方法は体幹コルセット(硬性装具)の装着です。
リハビリテーションは装具をつけながら行う病院と安静にして
経過観察を選ぶ2パターンありますが、これも先生の考えに
よるところが大きいように思います。

最近はLIPUSという骨癒合を促進させる
低出力超音波治療機を照射する治療を行います。

当院でも週に2回を目安に行います。

生活習慣で気をつける事

生活習慣ではとにかく腰を反らないことです。
これは立っている時だけではなく例えば本を読む時や
ゲームをする時でもうつ伏せで寝た姿勢でも腰を反らないように気をつけます。

治癒率)

治癒率はステージにより大きく異なります。

初期90%、進行期60%、終末期0%と
早く発見できれば骨がくっつきやすいです。

またMRIで白く明るく患部が映るほどより治りやすく
暗く映っていると治癒率は下がると報告されています。

またケースによっては左右両方の背骨に疲労骨折が見つかる
こともありますが、左右両方に疲労骨折がある場合は
治癒率が変わってきます。

一般的に左右両方ある場合に進行期の疲労骨折があると
治癒率は下がると言われているので
低い治癒率を期待して長期間運動を休むのか?
それとも諦めて運動をするのかはとても悩ましいところです。

年齢やチーム状況、本人の意思、保護者様の考え
関係するみんなで考えて判断するのがいいのではないかと
思います。

まとめ

腰椎の疲労骨折、腰椎分離症についてまとめました。
最初に述べたようにこの疾患は長期間の安静期間が
必要になることでスポーツ活動を大きく制限されてしまうことが
大きな問題です。

まずは早期発見と予防に努め、発症してしまったら
速やかに病気の診断を受けて今何をするべきかを
正確に捉えることから始めていただければと思います。

当院でも腰椎分離症のLIPUSの治療を始め
再発予防に向けたトレーニング指導や体のコンディション調整を
行っております。

学生の腰痛でお困りでしたらお気軽にご相談ください。

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