運動でのスネの痛み もしかして・・・

2024年02月7日

はじめに

スポーツ傷害は,一度の外力が要因で生じるスポーツ外傷と,オーバーユースが要因で発症するスポーツ障害にわけられます

今回、代表的な下腿のスポーツ障害である内側脛骨ストレス症候群内側脛骨症候群(MTSS)についての話です

1: MTSSって何?

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一般には、すねの痛みで有名なのは「シンスプリント」で、ランナーやジャンプ競技のアスリートに多い障害ですが

シンスプリントとは…

正式名称

脛骨疲労性骨膜炎(けいこつひろうせいこつまくえん)」と呼ばれる骨膜に炎症を発症することによって痛みを生じる障害の一種です。

近年のスポーツ医学会では、MTSS(Medial Tibial Stress Syndrome)で統一されてきています。

脛骨疲労骨折と慢性コンパートメント症候群を除いたものを過労性脛部痛(MTSS)といい、シンスプリントもこのMTSSに含まれるんです

(慢性コンパートメント症候群についてはまたの機会に)

2: 原因・発生頻度

一般的な原因: 原因には複数の要因がありますが、主には

  • 過剰な使用
  • 不適切な運動技術
  • 骨密度の低下
  • 不適切なフットウェア
  • 筋肉の不均衡
  • 地面の硬さ などが挙げられます

最近では特に長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)が関係している場合が多く、MTSSの発生頻度は高くアスリートの35%が罹患すると報告があります

オーバーユースに伴う痛みの中では一番頻度が多い疾患とも言われています

3:鑑別

MTSSの診断は主に症状と身体診察に基づいて行われ、MRIなどの画像診断が補助的に用いられることもあります。特に、MRIはMTSSと疲労骨折を区別するのに有用です。疲労骨折では水平方向の異常信号が見られるのに対し、MTSSでは縦方向の異常信号が一般的です​

その他MTSSでは押さえた痛みが5㎝以上と広範囲に対し疲労骨折は限局した狭い範囲の場合が多く見られます

4: 予防策

運動習慣

  • 適切なフットウェアの選択
  • 筋力トレーニング
  • 原因筋の柔軟性の向上
  • 運動技術の改善 などが有効です。

また、下腿の筋肉のストレッチとアーチサポートの使用が推奨されています​​。

さらに、フォームの修正が、過剰な足の回内とそれに伴う筋骨格系への負担を減少させることも重要です

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危険因子:

  • 性別(女性が高リスク)
  • 足部アーチの機能低下
  • MTSSの既往
  • 股関節の特定の動き方

など挙げられていますが、矯正装具の使用やBMIの高さは近年の研究で危険因子としての重要性が低下しています​​

やはりメインの治療方法としては、痛みの原因となる筋へのメカニカルストレスを減少させることが重要ですね

5: 治療法

自宅での対処法: 痛みを引き起こす活動を避け、必要に応じて運動量を減らすことが重要です 時には完全な休息が必要な場合もあります

専門家の介入:超音波治療や電気刺激などの物理療法が、痛みの緩和や治癒の促進に役立つ場合があります

運動改善:走行フォームの改善や、不適切な運動技術の修正が必要な場合もあります

6:まとめ

MTSSは炎症の質によって治療スケジュールが違います

腫れの有無・腫れの硬さ・押した痛みの広さや、練習環境やトレーニング過多などから総合的に評価し当院では治療のプログラムを提示します

重要なのは、MTSSの治療だけでなく、運動前後の適切なケアや生活習慣の見直しも含めた総合的なアプローチが必要であるということです

  • すねの痛みが引かない
  • 安静にしていても痛みが残っている
  • ケアの方法がわからない
  • 痛みの出ないメンテナンスを行いたい

など、お困りでしたら当院にご相談下さい

柔道整復師 澄田

受付時間:平日9:00~12:00、15:30~19:00まで。土曜午後、日祝休診

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